会社の業務をRPA化(自動化)を成功するための手順書・やり方【←何となくスタートではプロジェクトは失敗する】

RPA

 

こんにちは、ROBOTA(@robota_g)です。

 

最近は一般の会社でも「RPA」「AI」と言ったIT用語が社内で飛び交うようになりました。

 

理由は「働き方改革」「日本の労働人口が減っている」と言うところが主だと思います。働き方改革により「残業の取り締まり」が厳しくなり、業務の効率化・スリム化を図らなければ仕事が回らない。高齢化により日本の労働人口が減っているので、単純に1人当たりの作業量が増えている。というのが現状です。

 

それを打破するためには、事務職の人達が携わるような定型業務(Excel操作やその他データ入力等)をロボットを使って全て自動化する必要があります。そうすることで事務職の方々の仕事が減るので、その時間を別の業務に割り当てることが出来るのです。

 

今回はそのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を会社に導入しよう!となった場合に、RPAプロジェクトが成功する方法についてお話したいと思います。RPAを自社で内製化しようと思うと、上手くいかないという会社がとても多いです。

 

★RPAとは
ロボットを使用し業務を自動化するツールの総称

 

 

今回は、私が実際に色々な会社で「RPAプロジェクトの進め方」を指導した経験を活かして、

 

「どうしたらRPAが会社に浸透するのか?」

「どうやったらスムーズにRPAロボットを作れるのか?」

 

にスポットを当ててお話します。RPAプロジェクトを会社で発足した場合は、「RPAが会社に浸透するのか?」というのが肝になってきます。現場の社員がRPAって「便利だね」と言うことが分かれば、会社に勝手に浸透していきます。

 

【前置き】RPAは内容によってステージが分かれる

 

ステージ1 定型業務の動きをそのまま再現させる(シンプルは繰り返し作業を自動化)
ステージ2 人工知能(AI)を活用して、非定型業務も自ら適切な判断をする
ステージ3 より強力な人工知能(AI)を使って、人間に近い深層学習を行う(人間レベル)

 

一言でRPAといってもステージが3つに分かれています。会社にシステム部などのシステム関連の知見がない人でも、ステージ1であれば、ロボットを作ることが出来るツールはあります。ステージ2からは人工知能(AI)が必要なので、社内に内製化する場合はそれぞれのプログラムに知見がある人材が必要になってきます。

 

一般的な単純な事務作業を自動化(RPA)するだけであれば、ステージ1でも大幅に業務量をカットすることができます。

 

RPA:第1ステージ

RPAの第1ステージは、「とてもシンプルな反復作業」を自動化することが出来ます。結論から言うと、社内で特殊な人材を雇わずに内製化する場合は、第1ステージが限界だと思います。

 

例えば「Internetexplorer(IE)を使って検索した内容をExcelにコピペする」等の作業です。データ入力やExcel上での作業は第1ステージでほとんど処理が可能です。事務職の方々のほどんどの作業は自動化(RPA)することが可能です。

 

RPA:第2ステージ

RPAの第2ステージからは、人工知能(AI)を用いるようになります。AIにより業務プロセスを機械学習させることで、ロボット自ら適切な答えを導くことが出来ます。

 

RPA:第3ステージ

RPAの第3ステージからは、さらにレベルの高い人工知能(AI)を搭載したロボットを使用します。深層学習により人間の近いレベルの判断をすることが出来るようになります。

 

AIについて

人工知能(AI)は「用途」や「機能のレベル」によって分類が分かれます。まず、用途ですが「特化型人工知能」と「汎用型人工知能」の2種類に分類されます。

 

特化型人工知能(Narrow)とは

「特化型人工知能」は、特定の作業で活躍する人工知能(AI)です。

 

例えば、人工知能(AI)がチェスや囲碁などのトッププロを倒した!みたいな話があると思いますが、それらの人工知能(AI)が「特化型人工知能」に該当します。

 

汎用型人工知能(Artificial General Intelligence)とは

「汎用型人工知能」は、特化型人工知能のように特定の領域で活躍する人工知能ではなく、領域を特定せずに「人間と同等」の作業をこなすことができます。

 

例えば、ターミネーターのシュワちゃんなどの自分で判断して行動するロボットなどが「汎用型人工知能」に該当します。近い未来、ロボットが自分で考えて行動する時代が来るんですかね…

 

作業・領域を限定せずに人間と同等あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮するものを指します

 

AIの機能レベル(高度さ)

人工知能はその機能の高度さによって「強いAI」と「弱いAI」に分類する時があります。単純にこれは人工知能(AI)のレベルによる分類ですね。

 

【本題】社内でRPAを成功させるプロジェクトチームの組み方・進め方

 

では、本題です。

 

社内でRPAを内製化する場合にどのように進めたらいいのかをポイントに分けて具体的に話していきたいと思います。前段でお話した通り「社内に特殊な人材がいない場合」は、RPA第ステージ1「シンプルな反復作業を自動化」するところを考える方がいいです。

 

RPAステージ2以上を行う場合は、人工知能(AI)を使うことになるので「コストが高くなる」ので、多くの一般的な会社は費用対効果が合わないと思います。

 

★RPAPJの組み方・進め方
  1. 【RPAプロジェクトメンバーの選出】リーダー・メンバーを決定します
  2. 【各部署の業務を可視化】すべての業務名/作業内容(簡単にまとめる)をリスト化する
  3. 【業務のランク付け】ロボットを作成する難易度・自動化した時の効果で優先順位を可視化する
  4. 【RPA化する業務選定】どの業務からロボット作成をするか決定する
  5. 【具体的な業務フロー】業務フローを書き出す
  6. 【ロボット作成開始】ツールを使ってロボット作成をする
  7. アフターフォロー&メンテナンス(随時)

 

①【RPAプロジェクトメンバーの選出】リーダー・メンバーを決定します

まずはRPAプロジェクトチームを社内で結成する必要があります。リーダーとメンバーの役割は以下の通りです。

 

  • リーダーは「RPAロボット」の開発・進捗管理
  • メンバーは「RPAロボット」のメンテナンス

 

RPAの主な業務は「ロボットを作る」「ロボットのメンテナンス」です。そう、RPAは作って終わりではなく「メンテナンス」が必要になります。ロボットの作り方によっては、「画面の位置情報」が変わったり、「ソース」が変わっただけでメンテナンスは必要になります。

 

良く聞かれるのが「リーダーがメンテもやれば早いんじゃないの?」

 

確かにロボット作成作業はリーダーの方が慣れている場合が多いので、早いと思います。しかし「メンテナンス」に関しては、自動化(RPA)した業務の内容を理解している必要があります。リーダーが全部署の全業務を完全に把握するのは、「時間が掛かるし」何より「無駄」ですよね。

 

 

作るのはリーダーを中心となって作る

メンバーもロボット作成に一緒に参加する

メンバーが作成したロボットの簡単なメンテナンスは出来るようにする

 

このように役割を分けることで、現場レベルでロボットのメンテナンスが出来るようになります。このメリットはもう1つあります。それはRPAが「社内に浸透しやすい」ということです。

 

自部署に担当者がついているので、部署で起きた問題の解決方法に「RPA」という考えが加わります。メンバーは一緒にRPAロボットを作っているので、どうやってRPAロボットが出来るのかを目で見て理解しています。

 

なので、何か部署内で新たに業務が発生した場合に

「それRPAで出来るんじゃない?」と発言してくれるようになります。

 

便利でもそれが便利だと理解してもらえないと、社内には浸透しにくいのでオススメの方法です。

 

②【各部署の業務を可視化】すべての業務名/作業内容(簡単にまとめる)をリスト化する

 

まずは「各部署の全ての業務を可視化」する必要があります。

 

実務をしている現場が「これRPAできるかも」「できないかも」という判断をしてしまうと、自動化(RPA)できる業務が自動化できなかったり、その逆が多発してしまい非常に時間がもったいないことになります(実際に私もなった)。

 

なのでまずは「自動化(RPA)出来るかは無視して全ての業務を書き出します」

 

メンバーが自部署の業務を全て書き出す形になります。この時にメンバーの人は内容が分かるように簡単にコメントをつけるようにしましょう。※上記表の「業務内容」がそれに該当します。

 

③【業務のランク付け】ロボットを作成する難易度・自動化した時の効果で優先順位を可視化

 

①で「すべての業務の可視化」が出来たら、次はその業務をランク付けしていきます。これは「業務の自動化(RPA)」の成果を早く得るためには必須の作業です。

 

例えば、上記の表でいう「RPA化難易度」が「A」でロボット作成難易度が高いのに、「RPA後の効果」が「C」であった場合、優先的にやる意味はあまりないですよね。

 

ベストなのは、RPA化難易度が「C」でとても簡単で、「RPA後の効果」が「A」でとても効果が高い業務がベストですよね。そのベストな業務を客観的に一覧表から見れるようにするのが「③業務のランク付け」の目的です。

 

これを作ることによって、今後の業務の自動化(RPA)のスケジュールが組みやすく、プロジェクトに携わらない人にも可視化されているので説明しやすく賛同を得やすい状況を作ることが出来ます。

 

④【RPA化する業務選定】どの業務からロボット作成をするか決定する

「③業務のランク付け」が終わったら、どれから自動化(RPA)すればいいのか一目瞭然となっていると思います。その一覧表の中から、どの業務を自動化(RPA)するのが会社にとって効率がいいのかも含めて検討します。

 

1回目はRPAロボットが比較的作るのが簡単な業務を選択することをおすすめします。いきなり、難易度の高いロボットを選択すると何も完成せずに挫折してしまう可能性が高いです。まずはスモールスタートしてみましょう!

 

⑤【具体的な業務フロー】業務フローを書き出す

 

自動化(RPA)する業務が決定したら、次はその業務の「業務フロー」を書き出していきます。

 

これはかなり詳細なもので、「どこのサイトを立ち上げて」「このボタンを押して」「このデータを出力する」など、その業務をやったことがない人にもわかるレベルで業務フローを書き出します。

 

それを基にしてロボットを作成していくので、「ロボットの設計図」だと思ってもらえるといいと思います。これを作っておくことで「ロボットを作ってる時に工程で迷わない」「メンテナンス時に確認できる」ので、とても重要です。

 

作るのは手間ですが、作っておくと後々かなりラクになるので作っておくことをオススメします!

 

⑥【ロボット作成開始】ツールを使ってロボット作成をする

ここまで出来たら後は実際にRPAツールを使ってロボットを作成します。⑤で作った設計書を確認しながら、リーダーを中心にメンバーとRPAロボットを作っていきましょう。

 

またRPAのおすすめツールに関しては下記の「【質問】どのRPAツールがおすすめですか?」でお話しておりますので、ご確認下さい。

 

⑦アフターフォロー&メンテナンス(随時)

RPAロボットには必ずメンテナンスが必要になってきます。

 

冒頭でもお話しましたが、メンテナンス作業は基本的にはメンバーの人で作業を行うようにします。理由は、実務をやっていて業務フローをわかっている人が修正するのが一番早いし効率的だからですね。

 

メンテナンスは「Webが新しくなった」「ソースが変わった」「位置情報が変わった」など些細なことで発生します。RPAロボットを作る際はこれらが発生しにくいようにするのも念頭に置いておくといいと思います。

 

【質問】どのRPAツールがおすすめですか?

RPAロボットは色々な種類があります。大きく分けると2種類で、「オンプレミス(自社運用)」「パッケージソフト」があります。

 

簡単に説明すると、「オンプレミス(自社運用)」の方がAIとの連携やその他の拡張が自社運用になるのでやりやすくスペックが高い場合が多いです。ただ、これらは規模が大きい会社向けてで費用がとても高くなるので、費用対効果が合わない場合が多いです。

 

まずはミニマムスタートするのであれば、パソコン1台からスタート出来るような「パッケージソフト」をおすすめします。これらはプログラマーやエンジニアがいなくても社内でRPAロボットを作成できるので、本記事のやり方に合っています。

 

中小企業でちょっと事務作業を無くしたい。という人にはこちらをおすすめします。リンクは下記に貼っておくので、公式サイトをご確認下さい。

 

RPAを初めて利用する方におすすめ(パッケージソフト)

(契約は1ヵ月ごとでスタートしやすい!)

AI連携などの高度な作業をする方におすすめ(オンプレミス)

パトロールロボコン

 

まとめ

本記事は「会社の業務をRPA化(自動化)を成功するための手順書・やり方」について執筆致しました。

 

実際に私もツールを使ってロボット作成を行っていますが、人工知能(AI)を使わなくても、RPAステージ1の「定型業務を自動化する」だけでもかなりの業務の効率化を行うことができます。

 

またRPAは確かに業務の自動化(RPA)をして、事務作業の負担を減らすというのが目的ですが、RPAを社内で行うことにより、今まで盲目的にやっていた業務フローは合っていたのか?と考えるようになります。業務フローを書き出した時に「これ実は効率悪い」「別のやり方があった」と気が付く人も多いです。

 

これも隠れたRPAの効果だと思います。まずは安価な「パッケージタイプ」のRPAツールを導入してみて効果測定してみてくださいね。

 

以上、ROBOTA(@robota_g)でした!

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