現代の工場生産における深刻な課題と、協働ロボット(cobot)の利点とは?

2022

車や家電を組み立てたり、部品といった小物を作る「製造業」では、作業場となる工場での課題が山積みになっているケースがあります。毎日のように作業に明け暮れる中、これらの問題解決や改善策に苦戦している企業は意外に多くあります。例えば、現代では生産量を高めると共に、コスト軽減のソリューションとしてユニバーサルロボットなどのコボットといった産業ロボットの導入も検討されています。

外注からの生産量やクオリティでのプレッシャーもあり「とにかく生産性を上げなければ」と躍起になる企業も多いですが、まず、課題を解決するには何が問題で、どう解決するのか?この部分をクリアにすることが大切です。この記事では、工場で実際に起こっている深刻な課題を振り返りながら、実際に行われているソリューションの例をご紹介します。

工場が抱える深刻な課題とは?

多くの生産工場が直面している深刻な課題を挙げてみます。

圧倒的な人材不足を抱えている

生産工場では圧倒的な人材不足を抱えています。これは、大手企業の生産部門でも、中小企業の製造工場でも同じようなことが言えます。実際、必要な作業員に満たないままで、以前と変わらない生産ノルマを達成しなければならない状況に追い込まれていることもあります。

例えば、営業が獲得してきた受注に対し、各作業工程で必要な作業員を確保できない状況なら深刻極まりないでしょう。生産部隊が足並みを揃えていなければ、作業員一人に対する残業量も付加されてきます。そうなると、身体的なストレスやメンタル面でのダメージの要因になってしまいます。ここで負のサイクルが生まれてくるわけです。そうすると、企業側としては従業員満足度(ES=Employee Satisfaction)を維持することができなくなり、それに伴って作業員も会社を辞めてしまうという事態が起きてしまいます。

人的なミスや間違いがどうしてもある

人は感情の生き物であり、時には体調のすぐれないこともあります。もちろん、製造業に従事する者としては「100%の仕上がり」を目指し、日々、集中力と戦いながら仕事をされていると思います。しかし、常日頃から行っているレギュラータスクではなく、特注や仕様変更といったイレギュラーな事態が発生すると、人的なミスが起こることが増えてきます。ここが工場生産の最大のネックで、標準的な作業ではないエラーでも、非標準的な状況になると、スタートアップと同じような状況になるため、ミスが起きる可能性が高くなってしまうということなのです。

例えば、新人作業員へのトレーニングを想定しても、工場では知識やマニュアルよりも圧倒的に「実地での訓練」が重要になってきます。ここで、ベテラン作業員を配置させ、新人教育に時間を割く余裕があるかと言えば、なかなかそうも言えません。つまり、十分なトレーニング期間を与えることができないため、新人作業員はノウハウが100%ではない状態で本番に入ることになります。ここで不良品などのリスクがアップしてしまうわけですね。

協働ロボットを導入する上でのメリットは?

多くの中小企業が協働ロボット導入を前向きに考えています。その理由とは何でしょうか?軸となるメリットを3つ挙げてみましょう。

人件費を抑えることができる

協働ロボットを導入すれば「人件費の削減」につながります。作業員を雇う際は労働基準法に基づいて働く時間帯や環境、総合作業時間などが厳しく定められています。また、工場内での仕事はタフで身体のエネルギーを奪うこともあるでしょう。流れ作業を続ける上でストレスや疲労などが貯まることもあります。しかし、協働ロボットには「疲れ」を感じるということがありません。

加えて、労働時間についての法律も存在しません。つまり、作業場の状況によっては常に協働ロボットを使って作業を進めることもできるわけです。24時間休みなしで一人の作業員に仕事を任せることができるでしょうか?無理ですよね。

 

生産量と品質を均一に保てる

次に「生産量と品質の安定化」が挙げられます。協働ロボットはプログラミングによって動作するロボットです。つまり、一度作業工程を入力すればそれをほぼ確実にこなしてくれます。体調が悪くなったり、何らかの事情で早退することもないわけです。そのため、生産の妨げとなるネガティブな項目が排除されます。

また、協働ロボットは同じ作業を継続して行ってくれるため、製品の出来にバラつきや癖なども発生しにくいです。たとえば、作業員が新人で熟練度が低い場合は品質にも影響する可能性もでてきますよね。品質の均一化において協働ロボットを超えるものはないでしょう。

 

タスクの効率化に貢献できる

これは前述の生産量と品質の均一化に関係する項目ですが、協働ロボットは「人」ではないため、うっかりミスや作業行程を飛ばすといった感覚的な過ちがほとんど見られません。つまり、協働ロボットを導入することでロスを減らし、より高い効率化に貢献できるということになります。

単純な作業を「人」が続けていくにはトレーニングや経験、また根気なども必要になってきますが、協働ロボットの場合はそういった経験値とは無縁だと言えます。たとえ、作業が初めてでも正確にプログラミングを実施していれば、その通りの動作を繰り返し行ってくれるからです。ミスやロスがないため、効率的にも有利な投資アイテムとなるでしょう。

まとめ

協働ロボットは、現代の工場生産における深刻な問題を解決してくれる救世主です。人員補充や効果的な作業の実現、生産量や品質の安定化などに貢献してくれる強い味方です。大型工場から中小企業、地域の作業場まで幅広いエリアで積極的に導入されています。作業の自動化を図るなら安全なユニバーサルロボットといった「協働ロボット」を検討する価値は大いにあるでしょう。

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